気密性と断熱性はどれくらい必要かを簡単解説

マイホームは,大きなお金を使い,たくさんの時間を過ごし,体と心を休めるとても大事な場所です。自分が家を建てるときにどんな条件が必要なのか、徹底的に調べています。

家を選ぶにあたっての1つの重要要素である機能性の中に気密性と断熱性というものがあります。
この記事だけ読んでいただければ気密性・断熱性の大体の全てが分かるように書きました。
ちなみに,全てではありません。大体のすべてです。笑

ハウスメーカーの営業は,他のメーカーの弱みと自社の強みだけ説明してくるため,きちんとした知識は本,youtube,インターネットなどで勉強しましょう。

その1つの勉強ツールとして,何かを買うときには徹底的に勉強する私が,家の購入時に調べた内容の全てを記事にしていきますので,ぜひ参考に見てみてください。

かなり内容を分かりやすいように嚙み砕いて書いていますので,詳しく知りたい方はインターネットで調べてみてください。

気密性とは

気密性は,C値(シーチ)と呼ばれる値で表現され,家にどれだけ隙間があるかということを表しています。
家の中の空気がどれだけ漏れるかで計算されます。

数値が低ければ低いほど気密性が高いということになります。

私の実家は,家の中なのに外のように寒くベンチコートを着て過ごすほどです。
これは,C値が高く気密性が低い家です。

逆に,展示場でエアコン1台を微風運転だけで,お風呂,玄関,トイレまで暖かいメーカーがありました。
これはC値が低く,気密性の高い家です。

いろいろ勉強した上で,C値0.7以下ぐらいが気密性には必要なのかなという感覚です。

ちなみに,「家は性能」と謳っている一条工務店のC値は全棟0.7以下です。

低いところだと,0.2などと謳っているメーカーもありますが,これがどれだけ快適さに影響を与えるかは難しいところです。

価格と快適さのちょうどいいあたりが0.7あたりなのかなと思います。

そのほか,気密性を高くして14畳用のエアコン1台で全ての部屋を暖かくするなど謳っているメーカーもあります。

全館空調,床暖房といった大きな機械が必要ないため,導入コスト,ランニングコストが安く,室温も快適なため,とても魅力的です。

断熱等級とは

住宅の断熱性能をあげることで,排出する二酸化炭素量を減らそうという国の取り組みで,断熱等級は1~7まであります。

断熱等級は,熱の逃げやすさ(UA値)を分かりやすくしたもので,等級が上がるほど熱が逃げづらいです。

2025年度以降は,断熱等級4が義務化され,2030年には断熱等級5以上が義務化されます。

4から5にすると約20%の省エネ効果が得られます。

4から6にすると約30%の省エネ効果が得られます。

4から7にすると約40%の省エネ効果が得られます。

ここまでの話を踏まえると,断熱等級5以上は取得しておきたいところです。

4から7にするときの費用は,4から6にするときの費用と比較してグンと上がるので,断熱等級5または6を目指すのがいいあんばいかなと思います。

気密性と断熱等級の関係性

気密性を表すC値は空気の漏れやすさで,断熱等級やUA値は熱の逃げやすさです。

この2つの数値をみておけば、家の性能の実力を知ることができます。

その他のQ値などは,UA値の昔の呼び名ですので無視して問題ありません。

ちなみに,断熱等級を表す言葉でG1~G3という別の表現もあります。

G1=断熱等級5のちょっと上

G2=断熱等級6

G3=断熱等級7

と考えておけば,大体大丈夫です。

気密性が高い家のメリット

家の隙間が少なくなるため,以下のようなメリットがあります。

快適な室温を保てる

全館空調,床暖房なども気密住宅だからこそ使うことができます。
※ちなみにコスパ鬼は、全館空調・床暖房ともに反対派です。

4LDKをエアコン1台で全て管理することを実現しているメーカーもあります。
室温が一定であることにより,ヒートショックのリスクを減らすことができます。
また,疲れづらいなどのメリットもあるようです。

冷暖房の電気代が安い

冷暖房で温度調整した空気が逃げていかないため、冷暖房の電気代が安く済みます。

外の騒音が聞こえづらい

空気が入ってくる隙間がないので,音も遮断されやすいです。
立地で,電車が近い,車通りが多い,飛行機が飛んでいる,などの環境に土地がある場合,とても効果的です。

家が長持ちする

結露が起きづらいため湿気が中に入りづらく,家の劣化速度が遅くなります。
また,シロアリは湿気を好むため,シロアリが寄り付きにくい点も家の長持ちにつながります。

空気がきれいになる

穴の開いたストローでは水が吸えないのと同じで,穴が開いた家では空気の通りがよくなりません。

また,気密性が高ければ,換気の効果が高まり空気が循環するようになるため,カビや結露の発生を防いだり,花粉の侵入を防いだり・入った花粉も出ていきやすかったりして,空気がきれいになります。

ハウスダストや花粉のアレルギー,喘息,アトピー,鼻炎などをお持ちの方には効果的だったという声が口コミに書かれています。

補助金がある

ZEH(ゼッチ)補助金というものがあり,省エネ住宅を建てた場合にもらえます。

気密性が高い家のデメリット

家の隙間が少なくなるため,以下のようなデメリットがあります。

音が響く

音漏れがなくなる代わりに,音が響くようになるとのことです。

特に吹き抜けなどを作るとキッチン等の音が寝室に響いてしまうという声がいくつか見られました。

コストが高い

この後解説していますが,気密性をあげるには家を作る素材に良いものを使う必要があり,職人の技術も必要になります。
これがコスト高につながります。

ただし,コストについては,トータルコストで考える必要があります。

導入費用,電気代の削減額,修理費用,取替費用全てを考えてどれがコスパが良いのか考えなければなりません。

気密性が良い家はどうやって作られるか

木造建築

実は鉄骨で作るより,木造により建築した方が気密性は高く作れます。

鉄骨のメリットは,大開口の窓や広いリビング等のおしゃれ要素,頑丈さは良い点ですが,気密性という点ではかなり不利です。

大手の鉄骨を売りにしているメーカーは,C値を公表しないところが多いようです。

職人の技術

職人の技術は切っても切り離せない関係です。

隙間がないように家を組み立てるには,高い技術が不可欠です。
誰が家を建てるのかについては,家を建てるにあたってとても重要なポイントです。

フランチャイズのハウスメーカーも増えてきていますが,誰が建てるのか分からないため気密性という点において不安は大きいと考えています。

断熱材

断熱材で重要なのは,断熱材の種類と厚さです。
種類ごとに機能性は下記の表でご覧ください。

※西方さんの著書『最高の断熱・エコ住宅をつくる方法』より一部抜粋。防火性は★の数が多いほど評価が高い。

この表の断熱性能にプラスして,断熱材の厚さが重要です。

そこも含め確認しましょう。

ただし、最終的に重要なのは、断熱等級なのであまり詳しくなる必要もないと思います。

住宅設備産業協会によると,冬に暖房の熱が逃げるのは58%が窓で,夏の冷房時に外から熱が入ってくる割合は73%が窓だそうです。

空気は熱を通しづらいため,ペアガラス以上であれば空気がガラスの間に入っています。

さらに,空気より断熱効果が30%高いアルゴンガスが入れられているものもあります。
ガスは少しずつ抜けていくので寿命は30年ほどだそうです。

シングルガラス

昔の家で使われているガラス窓です。
言わずもがな断熱性能が低く,結露が発生します。

ペアガラス

空気の層の入った2枚のガラスがペアガラスです。
なお,ガラス内部に結露が発生するリスクもあります。

トリプルガラス

ガラスが3枚になり空気の層が2つになったものです。
断熱性能がさらに上がります。

なお,ガラス内部に結露が発生するリスクもあります。

トリプルLow-Eガラス

Low-Eは,ガラスの表面に金属膜を塗り断熱効果を高めるものです。

ちなみに,窓から熱が出入りするため,お風呂やトイレなどの狭い部屋には窓を付けない方が快適になります。

窓のサッシ

窓のサッシは,実は断熱をするにあたってとても重要です。
熱の5~7割は窓から入り、窓から出ていため、断熱を考えるにあたってはかなり重要です。

数多くの窓サッシがありますが,私は家の条件で樹脂サッシを絶対条件に入れています。

アルミサッシ

昔の家で使われていたようなサッシです。
金属のため熱伝導率が高く,冬になればサッシが冷~たくなり部屋の温度を下げてしまいます。
結露もしやすく,家のカビや壁内結露にもつながるため,安いですがおすすめできません。

アルミ樹脂複合サッシ

外側がアルミ,内側が樹脂で作られるサッシです。

ハウスメーカーの人はこう言います。
「外側は雨風にさらされるため樹脂だとダメになりやすいので,外側は金属のアルミで作っています。これだと,内側は冷たくならないので断熱効果があります。」

いいように聞こえますが,結局これも壁内結露がおきる可能性があります。
結露による湿気で,シロアリが来やすくなったり,断熱材が劣化したりする恐れがあります。

樹脂サッシ

断熱性能の高い家は全てこれを採用しています。
これなくして,断熱性の高い家とは言えないかもしれません。

サッシの外と内で温度差ができづらく結露が起きづらいため,家を長くいい状態に保つには必要な物です。

玄関

玄関にも断熱材が入っていて,断熱仕様のものがあります。

どんなハウスメーカーが,気密性が高い家を作れるか

全棟気密測定し,C値0.〇以下と掲げているメーカー

平均値がいくつだろうが自分の家がどうなるかが大事です。
自分の家もC値を測ってもらい,基準を下回れば原因究明し修繕してくれるため安心です。

断熱等級5以上を標準とするメーカー

断熱等級が5以上ということは,ある程度C値も期待できます。
C値も測ってもらえるのか確認しましょう。

自社施工しているメーカー

職人の技術が大事ですので,誰が作るのかを聞いてみましょう。

社員大工,外注,フランチャイズ店などいろいろあると思います。

これだけでは信頼してはいけない広告文句

C値の平均は0.7!

平均がいくつだろうと自分の家がどうなるかは分かりません。
C値を重要視するのであれば,自分の家のC値を測ってくれるメーカーを選びましょう。

良い断熱材使ってます!

良い断熱材を使っていても,厚さも十分でなければ効果は得られません。

他社比較の営業文句

他社の製品を悪く言うことがよくありますが,あまり参考になりません。
言われたことを自分で調べたうえで判断しましょう。

メンテナンスフリーです

果たして本当でしょうか。
外壁で「シームレスなのでメンテナンスフリーです。」と言われますが,窓枠のところにはどうしてもメンテンナンスが必要な部分があります。
真実を調べましょう。

トータルコストで見てください

「良いものは,最初は高いですがトータルコストで見ると安くなります。」とよく言われます。

初期コストが高いものを正当化する営業文句です。
数字はいくらでも都合のいいように作れます。

業者の提示している資料をよく見て真実を見極めてください。

比較しているものは何の数値なのか。

自分の家でもおなじような効果が得られるか。

利害関係者じゃない人から情報を得るなどして営業文句に備えてください。

本記事のまとめ

断熱・機密は,大工・断熱材・窓・玄関が重要

営業文句に騙されないようにしよう

初期コストよりもトータルコストが大事

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